2010年12月12日

バターナイフ

久しぶりにいろんな木でバターナイフを作ってみました。

1212a.jpg







樹種は左から、ヒノキ、カシ、クワ、ヤマザクラ、ヤクシマオナガカエデ、シラカシ、ヤマグルマ、ヤマグルマ、ヒメシャラ。
もちろん全て屋久島産の樹です。
それぞれ木目や色が違うのは見ての通りです。
が、それ以外に堅さ、粘り強さ、手触り、削っているときに立つ香り。
実際に製作してみるとそれらの全てが一つ一つ違うのが分かります。
画像ではそこまで伝えきれないのが残念です。

ヒノキの香りは結構分かる人も多いと思います。
檜風呂の、あの香り。
作っていて気持ちの良い香りだし削りやすいし粘り強い。まったく良い木です。

カシなどのドングリの実る樹はどことなくナッツ系の香りがします。
そのせいかどうか、保管時、気をつけてないと虫に穴だらけにされます。
造形するのには堅く、手強いけど、仕上げたときの肌のきめ細かさは素晴らしい。

カエデは、むん、とするちょっと甘い香り。
しっとりとしたピンク系の色も相まって色っぽい感じ。

ヤマグルマは何か森のコケの香りがするような?
一種一族のこの木は木目も独特、マーブル模様のようで美しい。
山ではトロッコのブレーキシューにするそうな。
ちょっと柔らかい木なんでこの木ではあまりカトラリーとか作らないけど、今回は特別に。

ヒメシャラは割と香りが薄いかな?
上品な感じのピンク色の肌は堅く、きめ細かい。
見た目やその名の響きとは反対に作り手にとっては結構手強い木です。
雑菌やシミが入りやすく、乾燥時の扱いにも気を使います。

ヤマザクラは桜餅の香り。
カトラリーや器に合う、ほどよい堅さと削りやすさ、散孔材特有のきめ細かさ。
よく使う、大好きな木。

それぞれが、それぞれで。
そんな当たり前のことが楽しい。

木の香りといえば今回は使用しなかったけど、栓(セン)の香り。
屋久島ではミヤコダラと呼ぶこの木を削っているときに立つ、何て言ったらいいのか、凛とした、清澄というか、しんとした冬の森の中にいるような気持ちにさせてくれる香りがたまらなく好きです。
この木を板にしたときの木肌は透明感のある白。
環孔材で割とはっきりとした木目が出るので、きめ細かな木肌というわけではないけれど、この木の白さは、そうそう、藤田嗣治の描く女性の肌の白さ。
作り手にとって想像力をかきたててくれる魅力的な木です。

話は飛んじゃったけど、バターナイフを作るついでに漆の作業に使うヘラをヒノキで作ろうとしたら、その縮み杢の美しいこと!

1212b.jpg







もったいないので仕上げて店に並べました。
ジャムなど柔らかいものをすくうヘラにどうですかね?


posted by flowers at 23:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 定番品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すばらしい!!!
美しい!!!
どれもいいですね。
Posted by 桜月 at 2010年12月14日 16:54
桜月さん、ありがとうございます。
これらの木って屋久杉と違って、ひとくくりに雑木って呼ばれてお金にならないからと工事なんかで伐採されてもチップにされたり捨てられたりするんだよね。
そんな木々をお金に替えられるようなシステムを構築するのもボクらの仕事のうちなんじゃないかと思うわけです。
まだまだ思うだけで上手くいきませんが・・・
Posted by flowers at 2010年12月14日 22:13
先日買ったヤマグルマのバターナイフ、うっとりするほどの使い心地です。見た目はもちろんひと目惚れですが、手へのおさまり具合、バターの伸び具合、すごい気に入りました!!!
Posted by マシマ at 2010年12月17日 11:16
気に入って頂けてこちらもすごく嬉しいです。ガンガン使ってやってください。
ありがとうございました。
Posted by flowers at 2010年12月17日 18:11
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