2011年04月07日

髹漆

久々の摺漆の作業。
まずは乾燥してカラッカラになっている漆ムロの湿度調整から。
ムロの中に入れてある川砂にたっぷりと水を吸わせて待つこと一日。
湿度が75%まで上がったところで少量のお湯を注いで80%まで上げ、落ち着いたところで作業開始。

昨日からの天気で外気の湿度が上がってるぶん、漆の吸い込みが若干弱い。
希釈する松精油の量と吸い込ませる時間で調整、頃合いを見て余分の漆を拭き取る。
拭き取ってからもう一度塗布して吸い込みの具合を確認。
材の部位によって吸い込み量は違うし、吸い込みにかかる時間も異なるので、それぞれの様子を窺いながらもう一度余分な漆を拭き取ってからムロの中に入れる。

漆は面白い塗料で、乾燥させるには80%程度の湿度と適度な温度(15℃以上、25℃前後が適温)が必要。
湿度が適度でないと、いつまで経っても硬化しない。
漆に含まれる酵素が空気中の水分と酸素で結合していき、硬化する。
その酵素が活発に働くのが前述の温度と湿度の中ってわけ。

今日は最終的に奥深い艶を作品に与えるための、木地に漆をたっぷりと吸い込ませる最初の作業で、漆の量も多いのでムロの中でこのまま一週間ほど乾燥させる。
そのあと、もう一度吸い込ませる作業をしてから艶を出すために5〜10回ほど漆を擦り込む作業を繰り返してゆく。

ちなみに漆を塗ることを髹漆(きゅうしつ)と呼ぶが、これは漆を塗るための刷毛が人の髪の毛から出来ていることからなんだそう。
中肉中背の海辺に住む潮に焼けた赤毛の美人の髪が良いらしい。
赤毛というのは、適度に脂肪分が抜けてるからなのだそうだ。
美人、という定義は良い刷毛であるための根拠に今一つ欠けるんだけど、昔からそう言われてるんだから仕方がないよね。

いわゆる普通の刷毛と違って、長さを揃えた毛を薄板で囲って作ってある。
毛先がちびてきたら塗師刀で薄板の部分を削り出してまた使うので、価格は高いけど、いい刷毛を購入すれば一生使用できる。

110407.jpg



posted by flowers at 20:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 日々の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
気が遠くなるような工程ですね。
その艶を出してみたいけど小生には悔しいけどとても無理です。どのくらいの時間をかければ身につくのだろう?
Posted by 南の島の素人大工 at 2011年04月07日 21:52
南の島の素人大工さん、こんにちは。
ドームの方ですよね?
ご無沙汰しております。
その節は色々お教えいただきありがとうございました。

いわゆる〜塗といったものはともかく摺漆であれば特別の技術もないですし、漆を擦り込んで紙や布で拭き取る、といった単純な作業の積み重ねでしかないんで割と気軽にできますよ。
一つ一つの単純な作業を手を抜かず、しっかりと行うことが大事なだけで。
それでもまあ、日々勉強です、はい。

ただその前に漆負けっていうハードルがあるのですが・・・
Posted by flowers at 2011年04月07日 22:43
盆栽は忘れんうちに、火気止める!?

ところで、ドラエモンぼきんと どえりゃーえもんぼきんの違いは!?如何に?
Posted by 梵才は at 2011年04月08日 01:14
知りません。
Posted by flowers at 2011年04月08日 01:18
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