2010年12月24日

くまさん到着。

晩飯を食べ始めた頃、車が入ってくる音。
外に出てみると、宅急便のトラックが停まっている。
降りてきた兄ちゃんが言うには、重量物が届いてるんで荷下ろしを手伝って欲しいとのこと。お、くまさんが来たかと荷物を見ようとすると、荷物は別便で今こちらに向かっていると言う。
この人も荷下ろしに駆りだされたらしい。
ほどなくしてもう一台トラックが入ってくる。
荷台の扉が開かれて中を覗いてみると、400×400×1600程度のコンパネで出来た棺桶のような物体が。
3人でトラックから引きずり下ろし工房内に入れ込む。
梱包重量160kgくらい?
アメリカ・グリズリー社のG0462木工旋盤。
佐川急便さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

途中だった晩飯をかきこんで、いそいそとまた工房へ。

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一人じゃ箱のまま動かすのは絶対無理なんで、コンパネでできた箱をバールとドライバで解体。
中身をばらしてパーツをひとつずつ設置場所に運ぶ。


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パーツの一つ一つのまた重いこと。
鋳物でできた足とベースを組んで、クソ重いヘッドを載っけて・・・ヘッドをベースに固定するためにTスロットをかましてナットを締めなけりゃならないんだけど、どうにももう一本手がないと取り付けられないぞ、と。
両手をふさがれたまま、一考。
埒があかないので、顎と左手でヘッドを押さえながら右手でナットを回し込む。
何とかなるもんだね。でも、あ、腰が・・・

101223c.jpg101223c.jpg  









とりあえず完成。
各パーツをチェック。
廉価版の旋盤なんであちらこちらの精度や見栄えがイマイチなのはまあ納得済み。
気になっていたセンタ間の精度も調整しながらセッティングすれば何とかOKライン。

101223g.jpg










ただ、ツールレストなんかのクランプ類の強度がなさそうなのがちょっと気になるところ。
いずれは交換しなければならなくなるかも。

早速電源を入れて試運転、の前に念のため手で軸を回してみるとモーターの後ろからカリカリと摺る音が。
モーターの冷却ファンのカバーが凹んでいて、ファンに当たっていた。・・・んもう、アバウトなんだから。
カバーをはずし、木づちでこんこんと凹みを直し、装着。
擦れてないことを確認し、電源ON。


2馬力のインダクションモータは思っていたよりも静か。
ガラガラ音等もなし。
変速機能も試してみる。
うん、スムーズ。

http://www.youtube.com/watch?v=bIAj9qNUyLk

メイドインチャイナの機械も良くなってきてるのかな?
まあ一応アメリカである程度の品質検査はしてるんだろうけどさ。
ちなみにこの旋盤をアメリカ本土で購入すると送料込みで569ドル。
なんだかんだで屋久島まで持ってくるとその倍ちょっとになってしまうんだけど、それでも安いなあと思う。
今回はこの旋盤だけの輸入だったんで送料がかさんでしまったけど、何台かまとめて船で送ってもらえばもっと安くつくはず。
国際・国内配送、通関諸々は、ネットで見つけた通関業者に依頼した。航空便だったこともあり、発注から3週間弱で手元に届いたことになる。
まったく便利な世の中になったもんです。


スイッチもくまさん。

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posted by flowers at 00:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月14日

左勝手の小刀


IMG_2440.jpg








島内に尊敬する職人さんが何人かいる。
その内の一人、Fさんという方から10年程前に頂いた小刀。
木工旋盤用のバイトを作り直したもので、Fさんの工房に寄ったときに左勝手の小刀を持っているかと聞かれ、持ってないと答えると、これあげるよ、と手渡してくれた。

当時私は島で民芸調の家具やお土産を作る工房で働いていた。
初めて彼に出会ったのはその工房に勤め始めてまだ1週間もたっていない頃で、木のことを覚えようと昼休みに材料置き場にある原木を一つ一つ観察していたときのこと。
その工房で以前工場長を努めていた彼は、独立して自分の工房を持っていたのだが、仕事が暇なときにちょくちょく遊びにきていた。
人懐っこい笑顔で近寄って来た彼は、他所から島に来て間もない、素性のわからない新人に対して懇切丁寧にいろいろ教えてくれた。
それからは何度となく彼の工房に遊びに行っては話を聞いたり、実際に作業を見せてもらったりしていた。

その後、私も独立して自分の工房を構えることになった。
工房を構える時も機械の選択や材料の確保などでお世話になったのだが、自分自身の仕事に夢中で徐々に疎遠になっていった。
工房を立ち上げて半年ほど経った年の暮れ、彼がC型肝炎からくる肝硬変を患っているとの話を島の人から聞く。
工房に行ってみると、半年前には考えられなかったような精気の失せた土気色の顔をした彼がいた。
そのとき彼と何を話したかあまり覚えてないのだけれど(というより何を話していいのかわからなくて、しどろもどろだった気がする。)、話題の途切れたときに前述のやりとりがあり、この小刀を頂いた。
年が明け、ほどなくして彼は静かに息をひきとった。

あまり出番の無い小刀ではあるけれど、この小刀を使う度に雨上がりの材料置き場で指を泥で真っ黒にしながら地面に絵を描いて木のことを話してくれたときの彼の笑顔や、彼が亡くなる1年前に頂いた年賀状に「ともに競い合ってがんばっていこうよ。」と書かれてあったことを思い出す。

あれから10年。
年齢だけは彼に追いついたのだけれど、技術も人間もまだまだ追いつけていない。
posted by flowers at 21:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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